前半、自陣ゴール前でディフェンスする鹿島の内田(左手前)=時事
右ひざ故障からの完全復活を期して、7年半ぶりにJ1鹿島に復帰した元日本代表DF内田篤人(29)が苦しんでいる。2月25日の開幕戦で後半39分まで出場したが、その後、右太もも裏に張りを訴えた。それ以降、4試合連続でのベンチ外に。自身3度目となるワールドカップ(W杯)ロシア大会出場への道のりは険しくなっていた。
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またも日本代表復帰をアピールする機会を逃した。13日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグのシドニーFC戦は本拠で開催。日本代表のハリルホジッチ監督が視察したが、内田はメンバーから外れた。
右サイドバックとして、前回のW杯ブラジル大会は3試合フル出場し、ドイツのプロリーグで長く活躍した内田の実績を、ハリルホジッチ監督は高く買っている。ハリルホジッチ監督は、今月3日のJ1ガ大阪戦でもカシマスタジアムに足を運んでいた。しかし、内田はベンチ外で、直接プレーを確認できなかった。監督は「本当に復帰できて良かった」としながらも、「レベルを取り戻さないといけない。もう少し時間が必要」と厳しい注文を付けた。
内田は、2015年6月に骨化した靱帯(じんたい)を手術してから2年半、ドイツでの試合出場は数えるほどしかない。長らく試合を離れていただけに、出場すると右ひざ周辺の筋肉がきしみ、連戦がきかない。加えて、全盛期のスピードや力強さはまだ戻っていない。
無理をさせて長期離脱を招くわけにはいかない。鹿島の大岩剛監督は慎重に起用のタイミングを計っている。「非常に注意深く見守っていかないといけない。少しでも違和感があれば、極力リスクを避ける」
6月に開幕するW杯で、日本代表は10日間で1次リーグ3試合をこなす。連戦をこなせない選手は、代表に選出される可能性は低い。内田は「ひざは全然いいんだけど、周りが張ったりする。ケアしながら、そのなかで結果出していくしかない」と話している。(吉田純哉)