スキー女子の距離スプリント・クラシカル立位を制したNPAのアンナ・ミレニナ=14日、ロイター
国家ぐるみのドーピング問題で、今大会は個人資格の「中立のパラリンピック選手」(NPA)として出場するロシア勢。地元開催の前回ソチ大会では、伝統的に強いスキー距離とバイアスロンの計38種目でメダル62個(閉幕時点)を獲得した。今回は13選手が参加する女子でメダルを量産する一方で、1人も出場を認められなかった男子では他国が混戦を演じている。
成田童夢に引退決意させた弟 パラスノボ・緑夢が平昌へ
特集:平昌パラリンピック
16日までに両競技で計15種目があった女子で、NPAはメダル17個(金7個)を獲得。次に多いウクライナの8個を引き離している。ただ、10日のバイアスロン女子6キロ立位で金メダルに輝いたエカテリーナ・ルミャンツェワ(NPA)は、国歌・国旗の使用が認められなかったメダル授与式で涙した。「たぶんうれしさからだけど、私の国の選手に起きていることを思うと悲しくもあった」
これに対し、16日までに両競技で計15種目があった男子は12カ国の選手がメダルを分け合っている。ソチ大会では、ロシアが計19種目で33個(金11個)のメダルを獲得していた。14日のスキー距離男子スプリント(1・5キロ)立位で優勝したアレクサンドル・コリャディン(カザフスタン)は「うれしいけど、世界のトップ選手がいないから、あまり勝った気がしない」。
ドーピング問題は、ロシアにとっても他国にとってもすっきりしない状況を生んでいる。(菅沼遼)