パラアイスホッケーノルウェー代表のシーナ・シュローダー=北村玲奈撮影
屈強な男たちがぶつかり合うパラアイスホッケーのリンクで、ヘルメットの後ろから出た三つ編みの金髪がひときわ目立った。全135選手の中で唯一の女子プレーヤー、リーナ・シュローダー(ノルウェー)が13日、平昌パラリンピックでデビューを果たした。
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身体へのアタックが認められる激しいスポーツだ。「私にとっては男子とプレーするのは普通のこと。他のチームの選手は違うかもしれないけどね」。この日、1次リーグ第3戦のスウェーデン戦、第1ピリオド13分57秒に交代で初出場。パックにはなかなか触れられなかったが、大きな相手選手に体をぶつけ、味方を助けた。45分の試合で5分13秒プレーした。
生まれつき二分脊椎(せきつい)症で下半身が不自由だった。2008年に初めてスレッジ(そり)に乗ったときから周囲は男子ばかり。だが、ノルウェーには1994年リレハンメル大会でゴールキーパー登録された初の女子選手もいた。シュローダーもパラリンピックをずっと夢見ていた。
今大会、各国の選手登録の枠は17人だが、女子選手が含まれるチームには1人追加される。ノルウェーだけがそのルールを適用された。ただ、試合のベンチ入りは15人までで、これまでの2戦はベンチ外だった。「ずっとこの時を待っていた。気持ちよかったし、楽しくプレーできた」
昨年10月、世界の女子選手を集めた練習会が韓国であった。日本選手も数人参加していた。「日本にも女子選手が増えて、女子の代表チームができたらいい。男子だけのためのスポーツじゃないから」(菅沼遼)