午後の対局が始まる前、盤面を見つめる羽生善治竜王=東京都渋谷区
第76期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の挑戦者決定戦が21日、東京都渋谷区の将棋会館で始まった。羽生善治竜王(47)は2期ぶりの名人戦登場、稲葉陽(あきら)八段(29)は2期連続の挑戦がかかる。勝者が佐藤天彦名人(30)への挑戦権を獲得する。
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対局は午前10時に始まった。振り駒の結果、稲葉八段が先手番を握った。初手は▲2六歩。後手番の羽生竜王は△8四歩と応じた。
戦型は、昨年の名人戦七番勝負でも登場した相懸かりになった。一つのミスで形勢を損ないかねない急戦になったため、互いに熟慮を重ねるスローペースになった。午後の再開直前に対局室に現れた羽生竜王は、険しい表情で盤面を見つめていた。
今期A級は6人が6勝4敗で並び、史上初の6者プレーオフになった。羽生竜王は、豊島将之八段(27)に勝って挑戦者決定戦に進出した。羽生竜王が挑戦権を得ると、通算でのタイトル獲得100期の大台をかけた七番勝負となる。
持ち時間は各6時間。決着は夜になる見込み。名人戦七番勝負は4月11日に東京都文京区で開幕する。(村瀬信也)