新型コロナウイルスによる肺炎が世界に広がると、一部の国では人々がパニック買いをしたり買いだめをしたりするようになった。しかしこうした人々が争って買い求め、時には殴り合いまでして手に入れようとしている商品が、マスクでもインスタントラーメンでもなく、トイレットペーパーであるとは予想だにしなかった。ネットユーザーからは、「一体どうしてトイレットペーパーにあれほど執着するのかわからない」という困惑の声が聞かれる。中国新聞網が伝えた。
「トイレットペーパー争奪戦」が地球規模で拡大!
トイレットペーパーが海外で争って買われるようになると、いろいろな現象が生まれた。
トイレットペーパー争奪戦が最初に注目を集めたのは日本だ。2月末に日本のネットに、「衛生紙製品とマスクは同じ原料で作られているので、これから衛生紙製品がなくなる」というデマが流れた。その結果、各地で人々が店に押し寄せて争奪戦を繰り広げることになった。2月28日に東京の大手スーパー数店舗を取材した時には、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウエットティッシュを含むあらゆる生活用の紙製品が売り切れていた。
その後、オーストラリアなど各国のトイレットペーパー争奪戦も注目を集めることになった。
オーストラリアの戦いはことのほかハードだ。澳洲網の今月9日付報道によれば、オーストラリアではトイレットペーパー争奪戦に起因する暴行事件が多発している。今月7日午後には、シドニー南西部のスーパーから「49歳の女性が襲われた」との通報が入った。その後、60歳の母親と23歳の娘が女性を殴打したとして集団的暴行罪の疑いで告発された。
トイレットペーパー争奪戦は米国でも起こり、買えなかった人々が警察に通報して助けを求める現象も起きている。環球網の報道によれば、ニューポート市の警察は今月15日、SNSにスレッドを立て、市民に向けて「トイレットペーパーがないことを理由に緊急通報電話911に電話するのはやめてほしい」と訴えた。「我々の助けがなくても生活していける」と発信し、歴史上の人物たちがトイレットペーパー不足を解決した方法を紹介するなどした。
一部の企業はトイレットペーパー不足に商機を見いだした。オーストリアの企業の中には「家を買えばトイレットペーパーをプレゼント」するところもある。中央テレビ網の報道では、オーストラリアの新聞社で白紙を8ページ分はさみ、切り取り線まで印刷して、読者が「緊急時」に使えるようにしたところもある。同社によると、「いつもより新聞の売れ行きがいい」という。