マリ戦に向けて調整する日本代表ら=長島一浩撮影
サッカーの日本代表は23日、ベルギーのリエージュでマリ代表との親善試合を戦う。ワールドカップ(W杯)ロシア大会の1次リーグ第2戦でぶつかるセネガル代表を想定した一戦だ。本大会を勝ち上がるために欠かせない「得点力」が試される。
「1年前に良かった選手を信頼し続けるのでは、ない。まずは得点を取る、(周りに)得点を取らせることが基準になる」。15日のメンバー発表でハリルホジッチ監督は前線の選手選考について、こう力を込めた。
最近の勢いを高く買われたのはFW宇佐美貴史(デュッセルドルフ)だ。代表発表前のドイツ2部リーグで4試合連続得点。「ワンチャンスを狙う感覚をつかんだ」と好調で、9カ月ぶりに代表へ戻った。FW中島翔哉(ポルティモネンセ)も今季のポルトガル1部リーグで9得点を挙げ、初の代表入り。FW本田圭佑(パチューカ)もメキシコ1部リーグで今季7得点をマークし、昨年9月以来の代表復帰となった。
日本が出場した過去のW杯5大会の1次リーグを見ると、1試合平均1点以上を記録した2002、10年大会は突破できたが、平均得点が1点を下回った3大会は、いずれも1勝もできずに敗退した。ハリルホジッチ監督は「本大会では(1試合に)2、3回のチャンスで1点を取らなければいけない」。世界トップクラスのブラジル、ベルギーと戦った昨秋の2試合でも、挙げたのは1ゴールのみ。ロシアでの本番を見据え、少ない好機を生かせる、得点感覚に優れた選手は欠かせない。
だからこそ、常連組にも危機感がある。昨年10月のニュージーランド戦を最後に代表戦でゴールのないFW大迫勇也(ケルン)は「何よりも結果。チームの勝利と、(得点という)目に見えるかたちが欲しい」。(清水寿之)