サッカーＪ１昇格プレーオフ（ＰＯ）が２６日に開幕する。Ｊ２リーグ戦の３～６位によるトーナメント方式で、勝ち抜いた１チームが来季Ｊ１に上がる。準決勝の組み合わせは、名古屋（３位）―千葉（６位）、福岡（４位）―東京ヴ（５位）。注目は、１年でのＪ１復帰を目指す名古屋と福岡だ。Ｊ１自動昇格を決めた湘南（１位）、長崎（２位）に続くチームはどこか。決勝は１２月３日。

名古屋は、風間監督の下で一からチームを作り直した。守備のときに戻りさえすれば自由に攻めてよく、ＤＦにも攻めが得意な選手が入るなど攻撃の色合いが強い。総得点８５はリーグトップだ。

準決勝で対戦する千葉には、今季のリーグ戦で２連敗している。３月に敵地で０―２。今月１１日の本拠での試合は、千葉の激しいプレスを受けてボールがつなげず、Ｊ２で９試合ぶりの無得点。後半のわずか１１分の間に３点を失う衝撃的な敗戦だった。

ただ、ミスを修正して成長してきたチームで、攻撃を活性化させるＭＦガブリエルシャビエルが故障明けから動きの切れを戻しつつある。主将のＦＷ佐藤は「この間の（２度目の）敗戦は自分たちが千葉の良さを出させてしまった。借りをこんなにすぐ返せることはそうない」と雪辱を期す。

千葉はリーグ終盤７連勝。最終節の横浜ＦＣ戦も後半ロスタイムに、ＣＫからＤＦ近藤のヘディングシュートで勝ち越し、ＰＯへ。就任１年目のエスナイデル監督が採る、前線から攻撃的にボールを奪いにいくサッカーで、９年ぶりのＪ１へ視界は悪くない。

前半戦を首位で折り返した福岡は、８月から９月にかけて６試合連続で勝てないなど後半戦は失速した。岡山との最終節も先制したが、直後に追いつかれて引き分けた。

今季は元日本代表のＭＦ山瀬やＤＦ岩下ら経験ある選手を補強。就任３年目の井原監督が指揮するチームはリーグ最少タイの１試合平均０・８６失点と大崩れは少ない。

一方、得点はリーグ１２番目の１試合平均１・２９点にとどまる。しかも総得点の約３分の１は、１９ゴールのＦＷウェリントン。もっと他の選手の得点が欲しいが、ＰＯまでの短い準備期間を考えると、空中戦にも強い身長１８８センチのウェリントンに頼るほかない。

準決勝の相手は今季１勝１分けの東京ヴ。井原監督は「前線にタレントがそろっている。その攻撃をどう抑えるか」。少ない得点でも、勝ちきれる手堅い運びができるかが鍵になる。

東京ヴは、今季就任したロティーナ監督が昨季の１８位から初のＰＯに導いた。組織的な守備で、リーグ４２試合を通じて相手に与えたＰＫはゼロ。昨季６１だった失点が、今季は４９まで減った。新たにコンディショニングコーチを採用したことで、この時期になってもスタミナ切れの心配もないという。攻撃面では、ドウグラスが１８得点、アランピニェイロが１７得点と両ＦＷが好調で、１０年ぶりのＪ１復帰も現実味を帯びてきた。（堤之剛、松本行弘）

４チームのリーグ戦の成績

（左から点、勝、敗、分、得、失、差）

③名古屋 ７５ ２３ １３ ６ ８５ ６５ ２０

④福岡 ７４ ２１ １０ １１ ５４ ３６ １８

⑤東京ヴ ７０ ２０ １２ １０ ６４ ４９ １５

⑥千葉 ６８ ２０ １４ ８ ７０ ５８ １２

（全４２試合。点は勝ち点、差は得失点差）