準決勝を控え西谷浩一監督(右)の指導を受ける大阪桐蔭の選手たち=2018年4月2日、大阪府大東市、遠藤隆史撮影
第90回記念選抜高校野球大会は3日、準決勝を迎える。大阪桐蔭が史上3校目の春連覇に近づく一方、他の3校は「打倒大阪桐蔭」を掲げて駒を進めてきた。偉業か、阻止か――。
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
選抜の日程・結果はこちら
大阪桐蔭は2日、地元・大阪府大東市内のグラウンドで打撃練習などに汗を流し、準決勝に備えた。「最強世代」とも評され、選抜大会を特集した雑誌の表紙には軒並み大阪桐蔭の選手が並ぶ。西谷浩一監督(48)は「今年の注目のされ方は異常なくらい。去年の優勝校だから標的にされやすいだけ」と苦笑しつつ、「まず準決勝を決勝の気持ちで戦って、勝てばもう一度、決勝を戦う」と話す。
優勝した41回大会(1969年)以来の4強の三重にとって、準決勝で戦う大阪桐蔭は待ち望んだ相手。2014年夏の決勝で敗れた相手で、この試合を見て三重への進学を決めた選手が多くいる。1日の準々決勝で九回に決勝打を放った二塁手の曲(まがり)孝史朗君(3年)は当時、中学2年。甲子園で観戦したその試合の映像を何度も見て目に焼き付けてきた。「あの時の三重に憧れ、僕たちは集まった。雪辱を果たしたい」。当時、監督だった中村好治総監督(64)は「この子たちにあのとき敗れた悔しさを託してきた。つけいる隙は十分にあると思う」と期待する。
準決勝第1試合を戦う東海大相模(神奈川)と智弁和歌山も大阪桐蔭への対抗心を原動力にしてきた。
「同じ高校に4度も負けるわけにはいかん」。智弁和歌山の高嶋仁監督(71)は選手に言い聞かせてきた。昨年は春の近畿大会、夏の甲子園、秋の近畿大会と大阪桐蔭に3度負けた。練習中のノックでも「そんなんで大阪桐蔭に勝てるんか」と発破をかける。「優勝のためには大阪桐蔭に勝たないといけない」。文元洸成主将(3年)は自分たちに言い聞かせてきた。
東海大相模の小松勇輝主将(3年)も「このチームは、ずっと打倒大阪桐蔭でやってきた」と話す。大阪桐蔭のエース柿木(かきぎ)蓮君(3年)とは中学生の時、世界大会のチームメートで同部屋だった。「彼から打って日本一になりたい」と決勝で迎え撃つつもりだ。