投手の肩やひじへの負担軽減策として、今大会からタイブレーク制(延長十二回まで同点の場合、十三回から無死一、二塁で攻撃開始)が導入された。これによって決勝戦をのぞき、再試合はなくなるが、それだけでは不十分という声もあり、日本高校野球連盟は「今後も議論を続けていく」としている。球数制限や連投制限など、ほかにどんな方法があるか。今大会に出場する36校の監督にアンケートで聞いた。
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
選抜の日程・結果はこちら
アンケートは①球数制限②投球回数制限③連投制限④休養日の増設⑤必要なし⑥その他。選択式(複数回答可)で、自由記述欄も設けた。
1番多かったのは、休養日(現在は準々決勝の翌日に1日)の増設で23票。球数、回数、連投制限はそれぞれ4票で、必要ないと答えた監督も5人いた。
「その他」で多かったのは、ベンチ入りメンバーを20人、25人に増やすという意見。メンバーを増やせば、投手を多くベンチ入りさせられるという考えだ。
球数制限やイニング制限の賛成意見としては、「難しいことだが、中学生の大会でも制限を設けているケースがあり、対応は可能だと思う」というものがあった。一方、「(投手が豊富にいる)私立が有利になる」「有力な中学生投手へのスカウト活動が懸念される」などの反対意見もあった。
自由記述欄には「甲子園もコールドゲームを導入」(近江・多賀監督)、「指名打者制」(明徳義塾・馬淵監督)、「木製バットの復活」(英明・香川監督)、「トレーナーのベンチ入り」(中央学院・相馬監督)などがあったほか、「日程の見直し、リーグ戦の導入」(三重・小島監督)を提案する意見もあった。
タイブレーク制を導入しても大会終盤の過密日程は解消されていない。今大会は準々決勝まで、延長戦は4試合あったが、いずれも十回で決着しており、タイブレークは行われていない。(山口史朗)