民営化で何が変わるか
日本初の公営地下鉄の大阪市営地下鉄が、4月1日から民営化された。公営地下鉄の民営化は全国で初めてだ。新会社「Osaka(オオサカ) Metro(メトロ)」が事業を引き継ぎ、職員は公務員の身分を失った。利用者にとっては、何がどう変わるのか。
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「114年間ありがとうございました」。大阪市営地下鉄御堂筋線で、こんなヘッドマークをつけた列車が3月31日まで走った。
大阪市交通局(旧大阪市電気局)は、1903年に日本初の公営路面電車を開業。33年には日本初の公営地下鉄を梅田―心斎橋間で開業した。現在は9路線133駅で地下鉄とニュートラムが走る。
交通局は3月末に廃止され、地下鉄とニュートラムは大阪市100%出資の新会社が引き継いだ。2016年度の輸送人員は年間9億人で関西大手私鉄5社をいずれも上回り、営業収益は1584億8千万円で私鉄5社で最高の近鉄と肩を並べる。
利用者にとっては何が変わるのか。交通局によると、運賃や終電時間は「現段階で変更する予定はない」。民営化を見据え、数年前からサービス改善に取り組んできたためだ。初乗り運賃は14年に初めて値下げし、200円から180円に。終電時間は13年に最大42分延長した。駅のトイレは13年から4年間で108駅で改修した。
変わるのは「敬老パス」だ。対象は70歳以上の大阪市民。現在は年間3千円の負担金と乗車1回50円が必要だが、7月からは年間負担金がいらなくなる。
交通局は13年と14年に天王…