海外経済が引っ張る景気の先行きに暗雲
堅調が続く景気の先行きの不透明さが増している。日本銀行の3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が2年ぶりに悪化。今回は原材料高の影響が大きく、指数はまだ高水準だが、トランプ米政権の保護主義政策や円高・株安が、海外経済に引っ張られてきた景気を揺らし始めている。
日銀の3月短観では、化学や鉄鋼などの素材産業で原材料高が響き、大企業・製造業の景況感を押し下げた。ただ、自動車や機械などの業界の景況感は堅調だ。
自動車メーカーは海外での販売増や円安で業績が好調で、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車は2018年3月期決算で過去最高益を更新する見通し。国内販売もエコカーが好調で、17年度の新車販売は519万台と2年連続で前年度を上回った。業界では「18年度も510万台を超える高いレベルの需要が維持される」(日産の西川広人社長)との声が多い。
国内外で設備投資の需要も旺盛…