パナソニックのヘアドライヤー「EH-NA99」(同社提供)
ヘアドライヤーが、「美容家電」の一つとして注目されるようになっています。髪に潤いを与えたり、地肌への負担を減らしたりと、乾かすだけではない機能をアピールしています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
ビックカメラあべのキューズモール店(大阪市阿倍野区)で3月下旬、市内の女性会社員(23)が、誕生日とホワイトデーを兼ねたプレゼントを、彼氏といっしょに選んでいた。目当てはヘアドライヤー。「髪がさらさらになるものが欲しい」という。
売り場には50種類以上の商品が並んでいた。同店の担当者は、「贈り物として買う人も多い」と話す。
4~5年前ごろから、「マイナスイオンが出る」などの機能を持つ商品が増え始めた。ドライヤーの温風は約100度と高温のため、長く当てると髪が痛む恐れがある。
マイナスイオンには、髪の静電気を抑えて傷みを防ぎ、保湿効果もあるとされる。今や売り場の商品の約9割が「イオンドライヤー」だ。担当者は、「毎日使うドライヤーで、少しでも髪質をよくしたいというお客さんが多い」。
最近は、高温で髪や地肌を傷めないように、温風と冷風を自動で切り替えるものや、頭皮マッサージをしながら髪を乾かすことができる商品も登場した。テーブルに置いたまま、スマートフォン片手に髪を乾かせるハンズフリー型のドライヤーも発売されている。
高機能品は価格も高めだ。調査会社のGfKジャパンによると、家電量販店での平均販売価格は2013年に約4千円(税抜き)だったが、17年には約6500円と6割上がった。
13年には3千円未満の商品が、販売全体の約6割を占めていたが、17年には約4割まで減った。髪を乾かすだけでは満足しない利用者が増えていることを表しているのだろう。(辻森尚仁)
ナノイーで指通りイー
パナソニックの「EH-NA99」は、指通りのいい髪質に改善する効果があるという。風と一緒にマイナスイオンの1千倍以上の水分を含む微粒子イオン「ナノイー」を当てる。温風と冷風を交互に出して毛先までつやを出す送風モードもある。1万7060円。
軽くて速くて潤いも
小泉成器の「KHD-9500」は、本体重量が約490gと軽いが、同社の従来品に比べて乾燥スピードが1.2倍になった。髪に潤いを与えるマイナスイオンを含んだ風を幅広い範囲に送り出すことができる。3980円。
マイナスイオン全体に
テスコム電機の「TID925」は、髪全体にマイナスイオンを行き渡らせる独自の放出方式で、髪にうるおいを与えるのが特徴。大風量で温風温度も2段階切り替えができ、髪の根元から毛先まで、すばやく乾かすことができる。2880円。
羽根なしで温度4段階
英ダイソンの「HD01」は、「羽根のない扇風機」でも採用している独自技術を使い、大風量で一気に風を送る。過度の熱で髪を傷めないようセンサーで風の温度を管理し、4段階の調整をすることもできる。4万5千円。
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3月20日時点のビックカメラの販売サイトでの税抜き価格。同サイトの売れ筋商品から選びました。
ヘアドライヤーの売れ筋ランキング■
①パナソニック EH-NA99 1万7060円
②小泉成器 KHD-9500 3980円
③テスコム電機 TID925 2880円
④パナソニック EH-NA59 1万1810円
⑤ダイソン HD01 4万5000円
※ビックカメラでの2月16日~3月15日の販売ランキング。価格は税抜きで、3月20日時点のビックカメラの販売サイトのもの。(きりとりトレンド)