北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相が3日、北京に到着した。朝鮮中央通信によれば、李氏はアゼルバイジャンでの国際会議に出席するほか、ロシアを訪れる。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長のロシア訪問や、プーチン大統領との首脳会談について話し合われる可能性がある。
中国外務省によると、李氏は北京で中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相と会談した。3月下旬に習近平(シーチンピン)国家主席と正恩氏が首脳会談に臨んだ際、習氏は「ハイレベル高官の往来」を重要課題に挙げており、早速実行に移した形だ。李氏は「トップ会談が中朝関係の発展に重要な機会をもたらした」と表明。王氏は「朝鮮半島の非核化目標を推し進めたい」と応じた。
正恩氏の訪中は、最高指導者として初めての外遊だった。韓国専門家の間では米朝首脳会談に向けて、北朝鮮を支持する国際世論を醸成するため、正恩氏がロシアのプーチン大統領との首脳会談を目指すのではないかという声が出ている。
北朝鮮は近年の中朝関係悪化に伴い、ロシアに接近。昨年9月末にロシア外務省のモルグロフ次官らが北朝鮮外務省の崔善姫(チェソンヒ)北米局長(現外務次官)と会談した際には、北朝鮮側が望めば、米朝協議を仲介する用意があるとの考えを伝えるなど、ロシア側も北朝鮮の核問題への関与を目指していた。(ソウル=牧野愛博、北京=冨名腰隆)