イラク日報問題をめぐる経緯
防衛省は12日、「ない」としてきた自衛隊のイラク派遣の際の活動報告(日報)について、内部部局が統合幕僚監部から3月5日に発見の報告を受けたにもかかわらず、小野寺五典防衛相には31日まで報告しなかったことを明らかにした。小野寺氏は「直ちに第一報を私にすべきだ。厳しく指導した」と述べた。
統幕長、「陸自に日報」を把握 会見では「承知せず」
参院外交防衛委員会で明らかにした。防衛省によると、陸上自衛隊研究本部が1月12日に陸上幕僚監部に日報発見を報告。陸幕は2月27日に統幕に伝え、統幕の鈴木敦夫総括官は3月5日に報告を受けた。統幕は同日に内部部局の文書課に伝え、三原祐和課長は7日ごろ報告を受けたという。
ところが、三原課長は直属上司の高橋憲一官房長には報告せず、豊田硬事務次官に30日に報告。高橋官房長は29日、小野寺氏は31日に統幕からの報告で知ることになった。内部部局は国会答弁や情報公開などを担当し、大臣を補佐する機関だが、内部部局だけで約3週間を費やしたことになる。
参院外防委で民進党の小西洋之氏は「文書課長だけで握っていた。組織的な隠蔽(いんぺい)だ」と批判した。三原課長は「速やかに大臣らに報告をすべきだった。おわび申し上げる」と謝罪。日報に関する過去の国会答弁や情報公開請求への対応を確認する必要があったと述べ、「大臣への報告に向け、統幕参事官と断続的に調整した」と釈明した。
委員会では、立憲民主党の福山…