安倍晋三首相が17、18日に予定される日米首脳会談で、自動車業界など複数の日本企業による米国への新たな直接投資を提案する方向で検討していることがわかった。対日貿易赤字の解消を求めるトランプ政権に対し、米国経済や雇用に直結する日本の貢献をアピールし、批判の矛先をかわす狙いがある。
日本政府関係者が明らかにした。すでに複数の日本の製造業から、新たな対米投資を検討していることが政府に報告されているという。日本企業が米国内に生産拠点などを新たに作るほか、日本企業による米企業の合併・買収(M&A)を進めることで投資を加速させる提案もある。政府関係者は「いずれも前向きな話で、米側は乗ってくるだろう」と期待を寄せる。
日本の米国への直接投資は増えており、財務省によると、2016年末の直接投資残高で、米国向けは53兆1842億円と過去最高だった。会談で日本側は、日本企業による投資や雇用の実績についても改めて米側に強調する考えだ。
一方、トランプ氏は3月に安全保障上の理由で鉄鋼・アルミ製品への新たな関税措置を導入し、同盟国の日本も対象とした。日本政府内には、様々なスキャンダルで支持率低迷にあえぐトランプ氏が11月の中間選挙をにらみ、経済問題で取引(ディール)による譲歩を迫ってくる可能性が高い、との見方が強い。
日本にとって会談の最大の目的…