巡航ミサイル「トマホーク」
日本の与党が最近、対敵先制攻撃能力を高めるため、米国製巡航ミサイル「トマホーク」の導入を検討していると報道された。これは日本にとって平和憲法による制約からの脱却を図る具体的措置であり、北東アジア地域における日米両国の戦略的抑止力配備の新たなニーズと符合する行動でもあり、周辺諸国は警戒すべきだ。(文:文威入。中国国防報掲載)
日本は今回、朝鮮の弾道ミサイルの脅威及び「イージス・アショア」配備計画の中止によってもたらされた防御上の空白を埋めることを口実としている。トマホークの導入が議論されていることは、日本の防衛界が主導的攻撃兵器の取得を強く切望していることの表れであると同時に、米国がアジア太平洋地域における戦略的抑止力の配備を調整する必要性から、北東アジア地域の目標に対する先制攻撃能力の限定的強化を日本に認めることを伝えるものでもある。
■地域の戦略的均衡が崩れる
トマホークは射程2500キロメートルの全天候型亜音速巡航ミサイルで、精密誘導能力と低空侵入能力が高く、地上の固定目標への急襲に優れている。数10年間の発展を経たトマホークには地上発射型、水上艦発射型、空中発射型、潜水艦発射型などがある。今回自民党内で重点的に議論されたのは水上艦発射型だ。日本はイージス艦8隻(未就役1隻)を保有しており、発射システムを少し改修すれば、理論上1隻あたり100発のトマホークを配備できる。防衛省関係者は、イージス艦からトマホークを発射すれば朝鮮半島全体を射程に収められるし、どの艦船がトマホークを搭載しているのか敵は判別できないとする。また、トマホークは価格が迎撃ミサイルSM3の10分の1に過ぎず、配備コストが低い。
トマホークは比較的低コストで一般的な防御能力の国に対して戦略的抑止力を形成できる。今後日本が配備を実現した場合、北東アジア地域の現在の戦略的均衡がある程度崩れ、地域情勢の緊張がさらに激化するのは必至だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年8月5日