1年前と比べて、ご自身の生活再建は進んでいると感じますか
熊本地震の発生から14日で2年を迎える。被災住宅の公費解体や災害廃棄物の処理はほぼ完了したが、熊本県ではいまも仮設住宅などの仮住まいで約3万8千人が暮らす。1年前に朝日新聞のアンケートに答えた被災者100人を追跡調査したところ、4割超は生活再建の歩みが停滞していると感じていた。
観測史上初めて震度7を2度観測し、熊本・大分両県で20万棟余りの住宅が被害を受けた。熊本県によると、3月末時点で仮設住宅などで暮らす人は、昨年5月のピーク時より1万人ほど減ったものの、なお3万8112人にのぼる。災害関連死はこの1年で42人増えて212人になった。
仮設住宅の入居期限は原則2年。県の調査では、入居者の6割が自宅再建が間に合わないなどの理由で期限延長を望んでいる。災害公営住宅は12市町村で計1735戸の整備計画があるが、業者の人手不足などの影響で着工が遅れている。
朝日新聞は3月下旬から4月上旬にかけて、昨年4月の被災者アンケートに答えた100人を再び調査し、81人から回答を得た。1年前に比べて生活再建が進んでいると感じるかを聞くと、「進んでいる」(20人)と「少し進んでいる」(25人)で過半数を占める一方、「変わらない」(19人)、「あまり進んでいない」(7人)、「進んでいない」(9人)をあわせると43%に達した。元の暮らしを100とした場合の再建度合いを聞いたところ、平均値は53だった。
また、67人が「現在、問題や不安を抱えている」と回答。具体的には「収入や借金など経済的なこと」が最多で、「自分や家族の健康」「住まい」が続いた。問題や不安が解消する時期を聞くと、「解決の見込みはない」が30人で最多。24人が「1~5年以内」だった。(田中久稔、神崎卓征)