パソコンとスマホを使った生中継の方法を住民らに説明する岸本晃さん(左)=熊本県南阿蘇村河陽の阿蘇アースライブラリー
発生から2年を迎えた熊本地震の被災地の今を住民自身で伝えようと、NPO法人「くまもと未来」(熊本県益城町)と「南阿蘇復興ネットワーク」(同県南阿蘇村)が15日正午から3時間、「ゼロから動き出した熊本」と題してインターネットで生放送をする。
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「くまもと未来」の理事長、岸本晃さん(64)は福岡県東峰村の村営ケーブルテレビ「東峰テレビ」のプロデューサーも務める。熊本地震で益城町の自宅が被災したが、ネットで避難所の実情などを発信。九州北部豪雨でも被災地の姿を伝えている。
「南阿蘇復興ネットワーク」は、北部豪雨後の東峰村をドローンで撮影するなど岸本さんを応援。今回は岸本さんらが技術協力をして、南阿蘇村河陽の「阿蘇アースライブラリー」をメインスタジオにして、阿蘇大橋周辺や立野地域の被災した農園、再建中の益城町の住宅や熊本城など10カ所ほどを生中継で結ぶ。
住民らがスマートフォンやパソコンで中継。「20年前は安くても1億円かかった機材が必要だった。今はアプリを使えばだれでも多元中継ができる」と岸本さん。「忘れさせないためには自ら発信しなければ。被災者の本音を伝えたい。みんなで伝えることで住民のエネルギーもまとまる」