(14日、長崎3―0ガ大阪)
土砂降りの雨のなか、長崎の選手が走り続け、つなぐ。昨年までのJ2時代から築いてきた組織的な攻撃がガ大阪を圧倒していく。変わらぬスタイルが、慣れ親しんだ本拠でのJ1初勝利を引き寄せた。
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まずは前半18分。ゴールキックをはね返し、3本のパスをつないで中村慶が左足で決めて先制する。ゴールまで約10秒という速攻だ。連動したプレーは後半3分の2点目も生む。ゴール前で落としたボールを中原がシュート。GKにはじかれたが、サイドから上がった翁長が押しこんだ。
「ボールを持った選手を他の選手が追い越し、数的有利をつくれたのが勝利の要因」と中村慶。スペースを見つけては選手が飛び込み、複数の選手がかかわって前進する。ピッチ状態がわるくても、戦術が浸透しているから選手の動きにも迷いが見られない。
限られた資金力のなか、就任6年目の高木監督の下、個人に頼らないチームづくりを進めてきた。初のJ1で、守備は1対1で競り負けて失点する場面があるが、攻撃は8試合のうち無得点が1試合という結果につながっている。この試合も今季最多の3ゴールで押し切った。
前節のJ1初勝利に続き、本拠4試合目でつかんだ勝ち点3。高木監督は「ホームで勝てたことがよかった」とほっとしていた。開幕から苦しんだが、その攻撃力は浮上を目指すチームにとって大きな力になる。(堤之剛)
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○中村慶(長) 先制ゴール。「ボールを持った選手を他の選手が追い越し、数的優位をつくれたのが勝因」
○高木監督(長) 本拠でのJ1初勝利。「(前節に)1勝していたので、プレッシャーがない分、アグレッシブなことができた」
クルピ監督の続投明言
ガ大阪は勝てば最下位を脱する一戦で惨敗した。大雨のピッチでパスをつなごうとしてミスを連発。前節の初勝利の余韻が吹き飛ぶ内容だった。山内社長はクルピ監督について「チームの士気は落ちていない。代える気はない」ときっぱり。ただ次節に控えるセ大阪との「大阪ダービー」の結果次第では、周囲の声がさらに厳しくなりそうだ。
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●クルピ監督(ガ) 「負けというのは最悪の結果。長崎の方が数多くのチャンスを作っていた」
●東口(ガ) 日本代表の下田GKコーチが視察した試合で3失点。「何にもできていない。ミスが多かった」
●三浦(ガ) 大雨のピッチでチームはミスを連発。「いつものようにできないなら、できないなりのサッカーをやらないといけなかった」