夕食会の前、「マール・ア・ラーゴ」の庭を散策する(左から)昭恵夫人、安倍晋三首相、トランプ米大統領、メラニア夫人=2018年4月17日、米フロリダ州パームビーチ、岩下毅撮影
約1年2カ月ぶりにトランプ米大統領がフロリダ州に持つ別荘「マール・ア・ラーゴ」で開かれた17日の日米首脳会談は、快晴のもと、なごやかな雰囲気で進んだ。笑顔も見え、18日にゴルフをすることも約束した。両首脳とも国内ではスキャンダルを抱えて厳しい状況に直面しているが、一時のリラックスした時間を過ごしたようだ。
マール・ア・ラーゴの表玄関「ポルチコ」に安倍晋三首相を乗せた車が着き、安倍氏が赤じゅうたんが敷かれた階段を上ると、トランプ大統領が笑顔で待ち構えていた。2人は右手で握手。安倍氏は左手でトランプ氏の肩を軽く抱いた。
トランプ氏は黒のスーツ、安倍氏は紺色のスーツだったが、ネクタイはまるで相談していたかのように、2人とも、紺地に白のストライプが入ったものだった。
その後、豪華絢爛(けんらん)な応接間に移動。ソファに座って通訳のみを同席させた1対1の首脳会談が始まった。
当初、記者団は表玄関のあいさつ部分だけ、取材が許されていた。ところが、トランプ氏が急きょ、応接間での会談の冒頭まで、記者団を招き入れた。
その場で、トランプ氏は「もし可能なら、時間が許せば、我々は明日の朝、こっそりと抜け出して、ゴルフをプレーするつもりだ」と発言。日本側はいったん、ゴルフを断ったが、トランプ氏の強い意向もあって受け入れた経緯がある。日米両政府とも、直前までゴルフをやることを明言してこなかっただけに、横にいた安倍氏は少し苦笑いを見せた。
日米首脳会談が終わった後、トランプ夫妻と安倍夫妻は、青い海と夕焼け空が鮮やかなコントラストをなす中、「クロケット・フィールド」と呼ばれる、ゴルフのグリーンのような芝生を歩いた。
元ポルノ女優とのみだらな行為をめぐるスキャンダルを連日報じられ、メラニア夫人との不仲説もささやかれるトランプ氏だが、このときは夫人の手を握って登場。一方、森友学園をめぐるスキャンダルを抱える安倍夫妻は、手をつながないままだった。ただ、芝生から出る際、昭恵氏がつまずかないよう、安倍氏が手を差し出す場面もあった。
安倍氏は記者団から、久しぶりのマール・ア・ラーゴについて聞かれ、「楽しんでいますよ」と笑顔を見せた。(パームビーチ=土佐茂生)