財務省の福田淳一事務次官の辞任は、海外メディアでも報じられた。多くが森友・加計問題などのスキャンダルに揺れる安倍政権に対する新たな打撃の一つとしているほか、セクハラや性被害を告発する「#MeToo」運動と関連づけて伝える報道も目立った。
AP通信は「身内びいきなどで四面楚歌(しめんそか)の安倍政権にとって、新たな悩みの種だった」と記事を書き出し、「キスしたい」「胸触っていい?」といった福田氏の発言とされる週刊誌報道も紹介した。
また、安倍晋三首相自身も学校法人「加計学園」の開校や文書の不適切な扱いをめぐる疑惑の渦中にいるとして、「積み重なるスキャンダルは、9月の総裁選での3選に疑問を投げかけている」と解説した。
AFP通信は「日本は女性の政治家の比率が最低の国の一つだ」と批判し、「#MeToo」運動も「比較的静かに受け止められている」と伝えた。
英BBC(電子版)も「日本社会は保守的で、これまでなかなか『#MeToo』運動に加勢しようとしてこなかった」と報道。一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、「福田氏の辞任は、日本が『#MeToo』運動に加わりつつあるかもしれないことを示す小さなサインだ」と論評した。