陸上自衛隊のイラク日報問題で、防衛省は27日、統合幕僚監部への集約作業で新たに見つかった34日分の日報を公表した。16日に公表された分と合わせ、陸自派遣期間の49%にあたる469日分が開示された。
陸自イラク「日報」 防衛省が公表した全文書
今回公表されたのはイラク復興支援群が作成した2005年7月29~31日の3日分と、イラク後送業務隊作成の06年6月30日~9月7日の間の31日分。いずれも教育訓練研究本部教訓評価室(旧・研究本部教訓課)の外付けハードディスク内から見つかった。同課では昨年3月27日に日報が見つかっていたが、今回分はファイル名が「活動報告」となっていて、「日報」というキーワードで検索する以前の捜し方では見つけられなかったという。
復興支援群の作成分には「サマワ市内に多くの武器・爆発物が存在することは明らか」などとする「群長指導事項」などが書かれていた。後送業務隊はクウェートを拠点に装備品などの撤収作業を担い、チャーター船に車両を積み込んだ記録などが残されていた。
また、防衛省は、公表済みの日報と日付が同じで、一部のページが欠落するなどしているものが47日分あったことも明らかにした。日報に記された「別紙」「別添」など7文書も公表。陸自幹部の来訪や現地有力者との懇談などが記録されていた。
また、内容の異なる複数の文書が見つかっていた「日米の『動的防衛協力』について」と題する文書が、新たに日米防衛協力課などから見つかった。いずれも「作成時期や使用目的が違うため、内容も違うと思われる」という。(古城博隆)