津久井やまゆり園の入所者家族の会「みどり会」の大月和真会長(68)は7日、弁護士を通じてコメントを出した。
津久井やまゆり園ありがとう 再建へ取り壊し始まる
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本日、津久井やまゆり園の入所棟の除却に伴う仮囲いが設置されました。
未曽有の事件から約2年となるのを前にして、いよいよ思い出の一杯詰まった宿舎の取り壊しがはじまります。
今日の日を迎えて改めて思うのは昨年10月に再生基本構想が決定されたことの意義です。当初の構想ではもっと早い着工予定でしたが、今日を穏やかな気持ちで迎えることができるのも一重にあの決定があればこそと、黒岩知事をはじめとする県職の皆様のご尽力に改めて感謝を申し上げます。
私達(たち)にとって掛け替えのない津久井やまゆり園、思いでの一杯詰まった施設が本当になくなってしまうのかと考えると、寂しさとやるせない気持ちで一杯ですが、改修か建て替えかの選択肢から建て替えを選んだ家族会の判断は間違っていなかったと思っています。この施設がこれから50年、100年と必要だとの強い思いが導いた結論だからこそ、皆でこの現実を受け止めて前を向いて行けると思います。
ですから、寂しさやそもそもあんな事件が起こったことに対する悔しさなども含め、新しく生まれ変わる津久井やまゆり園は皆様から褒めて頂けるような施設に是非ともして欲しいと思っています。
高い仮囲いは絶望の壁ではなく希望への扉と受け止め、これから一つひとつのプロセスを納得しながら進め、悔いなきよう見守っていきたいと思っています。そしてそれが事件で亡くなられた19名の方々への鎮魂に繫(つな)がり、私達に頂いた多くの方々からの励ましに応えて行くことではないかとも思っています。
今は只(ただ)、この除却工事が一つの事故も無く無事終了することを心から祈っております。