帰国した卓球女子日本代表の伊藤美誠=成田空港
卓球の世界団体選手権(スウェーデン・ハルムスタード)で3大会連続の銀メダルを獲得した女子日本代表が8日、成田空港に帰国した。準決勝では急きょ結成された韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」を破り、決勝では過去2大会連続して0―3で敗れていた中国から17歳の伊藤美誠(スターツ)が1勝をもぎとった。2年後の東京五輪に向け、高校生主体の若いチームが自信と課題を口にした。
「ツイッターで知ったんですけど、面白そうじゃん!って思いました。強いチーム同士が合体して、一人一人がエース級なんで」。南北合同チームとの対戦について報道陣から聞かれた伊藤はこう振り返った。17歳の早田ひな(日本生命)も「相手のベンチに10人も入ったんで、びっくりしたんですけど、(控えだった長崎美柚(みゆう)=エリートアカデミー=と)2人で10人分の声を出しました」。世界一を決める真剣勝負の場で「公平性を損ねる」と批判された突然のルール変更も楽しんでいた。
決勝では伊藤が元世界ランク1位の劉詩雯に3―2で先勝。事前合宿から中国選手のラバーを使った相手と練習し、粘り強いラリーをできるように鍛えてきた。「(劉詩雯は)あまり想定していなかった。自分のプレーで思い切ってぶつかっていけばいいかなって」。最終第5ゲームでの1―5からの逆転勝ちに「すごい自信になった」と振り返る。
一方で、「打倒中国」を掲げながら改めてその差も痛感した。ワールドツアーでは中国選手に勝っていた主将の石川佳純(全農)は甘いコースの球を痛打され、「一歩ずつ近づいてきている自信もあったので、ああいう試合になるとは思ってなかった」。
昨年のアジア選手権で中国選手をなぎ倒して優勝した平野美宇(日本生命)も決勝では2敗。東京五輪を見据え、こう語った。「世界選手権で中国のトップ選手と戦って、距離を感じることができた。あと2年でどれだけ追いつけるか。もっと速いスピードで成長して追いつけるように頑張りたい」(照屋健)