女児が発見された現場近くで手を合わせる男性。「ひどい事件が起きたことをニュースで知り、花を供えに来ました」と話していた=2018年5月9日午後1時26分、新潟市西区、竹花徹朗撮影
新潟市西区の小学2年、大桃珠生(たまき)さん(7)が7日に殺害されて線路に遺棄された事件で、大桃さんが通っていた幼稚園の園長が、朝日新聞の取材に応じた。
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「おおきくなったらデザイナーになりたい」。大桃さんは将来の夢を、幼稚園の卒園文集に覚えたての字で記していた。
3年間通った「あそびの森金鵄(きんし)幼稚園」の神保フユ子園長(71)は「絵を描くのが上手で、きれいな色の花が好きなのも関係していたのかな」と振り返る。「いつも友達に囲まれて、優しくて穏やかな子だった。事件に巻き込まれるなんて信じがたい」
友達からは「たまちゃん」の愛称で呼ばれていた。植物が好きで「園のベランダで育てたゴーヤに黄色い花が咲いたときは教えにきてくれた」。春には、拾い集めた桜の花びらを「ママにおみやげ」と持ち帰ったこともあった。
昨年3月の卒園の前には、3年後の自分に宛てた手紙を同級生のみんなでタイムカプセルにして園庭に埋めた。小学3年の夏休みに掘り起こすはずだった。「来年、珠生ちゃんがいないと思うと本当につらい」と悔やんだ。
9日の朝礼では、職員で黙禱(もくとう)を捧げた。送り迎えや園の行事などを通して、大桃さんの家族のことも知っている。「ご両親は、もう珠生ちゃんを抱っこしてあげられない。犯人は自分がしたことの重大さに気づき、早く名乗り出てほしい」(湯川うらら)