米ワシントンの郊外のアンドルーズ空軍基地で10日未明、トランプ大統領(左奥)とメラニア夫人(右奥)に出迎えられて政府専用機のタラップを降りる牧師のキム・ドンチョル氏(手前)ら=AFP時事
北朝鮮に拘束され、ポンペオ米国務長官の訪朝にあわせて解放された米国人3人が10日未明(日本時間同日午後)、ワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着し、帰国した。トランプ米大統領が出迎えた。
ポンペオ氏と一緒に米政府の航空機で帰国したのは、牧師のキム・ドンチョル氏、平壌科学技術大学の会計学教授キム・サンドク氏、同大学運営関係者のキム・ハクソン氏の3氏。健康状態は良好という。
トランプ氏は、3人の乗った航空機がアンドルーズ基地に到着した後、メラニア夫人とともに機内に乗り込んで出迎えた。その後、3人と一緒にタラップを降り、「ここに人々が集うことができたことを感謝している。特別な夜だ」と語った。解放された米国人の1人は「とてもとてもうれしい」と述べた。
一方、トランプ氏は米朝首脳会談について「場所と時間は決まった。首脳会談は2、3週間後に行われる」と見通しを語った。
トランプ氏はこれに先立つ9日にはホワイトハウスで記者団に対し、「(3人の帰国は)とても特別な時だ。誰もこんなことが起きるとは思っていなかった。金正恩(キムジョンウン)氏に感謝している」と自身の成果を強調していた。
3人は、敵対行為などの理由で拘束され、長期間にわたって領事面会を拒まれていた。しかし、今年3月に両国が首脳会談をめざすことで一致した後、北朝鮮は4月半ばまでに3人全員を収容先の教化所(刑務所)から平壌市内のホテルに移していた。
昨年6月には、北朝鮮に拘束されていた米大学生、オットー・ワームビア氏が容体悪化後に解放されて死亡したことで、米国内の世論が悪化。米政府は深刻な人権問題として、残る3人の解放を北朝鮮に強く求めていた。(アンドルーズ空軍基地〈メリーランド州〉=園田耕司)