安倍政権が今国会で最重要法案と位置づける働き方改革関連法案について、自民、公明両党の幹事長と国対委員長は23日朝の会談で、同日午後の衆院厚生労働委員会で採決を目指すことを確認した。立憲民主などの野党は、採決を強行する場合は加藤勝信厚労相の不信任決議案などの衆院への提出も検討しており、提出されれば法案採決は次の開催日の25日になる見通しだ。
「過労死増は明らか」働き方法案、論点残したまま採決へ
23日朝の衆院厚労委の理事会でも、与党が改めて質疑終了後の採決を求めた。野党は、裁量労働制をめぐる不適切なデータ比較問題の経緯に関する資料が厚労省から出てきていないなどとして拒否し、同日午後にかけて協議を続けることになった。
23日午後の衆院厚労委では、安倍晋三首相が出席しての質疑が1時間半行われる。立憲や国民民主、共産などは法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度(高プロ)が「過労死を助長する」と批判し、法案からの削除を求めている。高プロの問題点や、大量の異常値が見つかった労働時間調査の問題などについて見解をただす構えだ。加計(かけ)学園をめぐる問題も追及する。
質疑の前に自公と野党の日本維新の会、希望がまとめた修正案の趣旨説明がある予定。いったん高プロの適用に同意して適用された人が、撤回する手続きを明記することが柱だ。(松浦祐子)