北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外務次官は24日、「米国が我々の善意を侮辱し、非道にふるまい続ける場合、朝米首脳会談を再考する問題を最高指導者(金正恩〈キムジョンウン〉朝鮮労働党委員長)に提起する」として、米国のトランプ政権を牽制(けんせい)した。朝鮮中央通信が同日、ペンス米副大統領の発言を非難する談話として発表した。
崔氏は談話で、「我々は米国に対話を哀願しない」と強調したうえで、「会談場で会うのか、核対核の対決場で会うのかは、すべて米国の決心にかかっている」と主張。米朝対話が決裂すれば、軍事的な緊張が高まる可能性があると警告した。
崔氏は、ペンス氏が21日の米FOXニュースとのインタビューで、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を要求したことに言及。「核保有国であるわが国を、わずかな設備しかなかったリビアと比較することだけをみても、彼がどれほど政治的に愚鈍か察するに余りある」と非難した。
ただ、談話はペンス氏を名指ししているが、トランプ氏には言及していない。6月12日に予定される米朝首脳会談の開催に、決定的な影響を与えないようにしながら米国を牽制したとみられる。(ソウル=武田肇)