12日の米朝首脳会談に臨む北朝鮮の随行員は、次のような顔ぶれとみられる。
◆金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長=対南工作機関である党統一戦線部担当。板門店での軍事会談の経験が長いほか、軍偵察総局長も務めた。ホワイトハウスでトランプ米大統領に金正恩氏の親書を手渡した。
◆李洙墉(リスヨン)党副委員長=スイス大使を務め、金正恩氏と金与正兄妹のスイス留学も受け入れた。党国際部を担当し、北朝鮮外交を統括する。
◆李容浩(リヨンホ)外相=英語が堪能で柔和な性格とされ、米国の北朝鮮専門家の間での評価も高い。英国大使や6者協議代表も務めた。父は金正日(キムジョンイル)総書記の書記室長を務めた。
◆努光鉄(ノグァンチョル)人民武力相=軍経済を扱う第2経済委員長を務めた。人民武力省の第1外務次官時代には、平壌のロシア、キューバ、ベトナム各大使館の行事に軍を代表して参加するなど、軍の国際担当と言うべき存在。4月の南北首脳会談後に人民武力相に起用された。
◆金与正(キムヨジョン)党第1副部長=正恩氏の実妹。党宣伝扇動部で、「愛民政治」と呼ばれる正恩氏のイメージ戦略を担う。平昌冬季五輪の開幕式や4月の南北首脳会談にも同行し、正恩氏を補佐している。
◆崔善姫(チェソンヒ)外務次官=外務省で長く対米交渉や6者協議の英語通訳を務めた。既に亡くなったとされる両親は朝鮮戦争で功績があり、崔永林元首相の養女になった。米朝首脳会談後の非核化協議を担っていく存在とみられる。