23日、ソウル中央地裁で開かれた初公判で被告席に座る李明博元大統領(左から2人目)=東亜日報提供
在職中に巨額の賄賂を受け取った罪などで起訴された韓国元大統領の李明博(イミョンバク)被告(76)の初公判が23日、ソウル中央地裁で開かれた。李被告は「私は悲痛な心情でこの場所に立っている」「(起訴内容は)衝撃であり侮辱だ」と、起訴内容を全面否認した。韓国で大統領経験者が退任後に被告人となるのは4人目。
李氏は文在寅(ムンジェイン)政権下での自身への捜査を「政治的報復」と批判。逮捕後は取り調べに応じていなかった。
李被告は被告人陳述で平昌冬季五輪の誘致など大統領時代の実績を列挙、「公正な結果が出ることを望む」と主張した。
検察によると李被告は、自身の自動車部品会社を秘密資金作りに利用し、約349億ウォン(約34億9千万円)を横領。また同社の米国での訴訟費用をサムスングループに負担させるなど約110億ウォン(約11億円)の賄賂を得たとされる。
同様に在職中の収賄罪などで公判が続く前大統領の朴槿恵(パククネ)被告(66)は昨年10月から出廷を拒み、4月、一審で懲役24年と罰金180億ウォン(約18億円)の実刑判決を言い渡された。出廷拒否で量刑が重くなったとされることが李被告の出廷を促したとの見方がある。(ソウル=武田肇)