共同記者会見で、トランプ米大統領(右)と握手する安倍晋三首相=7日午後、米国ワシントンのホワイトハウス、岩下毅撮影
トランプ米大統領は7日午後(日本時間8日未明)、ホワイトハウスで安倍晋三首相と会談した後の共同会見で、12日にシンガポールで開かれる米朝首脳会談で朝鮮戦争の終結に向けた合意文書に署名することに意欲を示した。北朝鮮の非核化をめぐっては、事前協議でも米朝の立場が埋まらず具体的な合意が困難ななか、首脳の政治的メッセージとして「終結」の宣言を先行させることで歴史的な成果を演出する狙いがありそうだ。
「完全な非核化」より「開催」優先 米朝交渉、長期化も
朝鮮戦争は1950年に始まり、53年に国連軍を代表する米国と北朝鮮、中国の3者によって休戦協定が結ばれた。法的には現在も戦争状態が続いており、南北朝鮮が敵対する原因にもなっている。北朝鮮は体制保証のため、平和協定の締結を強く望んできた。
トランプ氏は会見で、朝鮮戦争の終結合意について「合意文書に署名することはあり得る」と指摘。米朝会談の合意文書に戦争終結の文言を盛り込むことで北朝鮮などと調整していることを明らかにした。
トランプ氏はこれまでも戦争終結について「歴史的にとても重要だ」と首脳会談での協議に意欲を示しており、この日は「合意文書の署名」まで踏み込んだ形だ。政権の信任投票でもある11月の中間選挙を控え、短期に成果が欲しいのが本音だ。国内向けに「歴史的な成功」とアピールする狙いがあるとみられる。
一方、戦争終結で合意すること…