韓国と北朝鮮は14日午前、板門店の北朝鮮側施設「統一閣」で、南北将官級軍事会談を始めた。同会談の開催は2007年12月以来。北朝鮮は、米朝首脳会談で合意したとされる米韓合同軍事演習の中止を韓国にも求める可能性がある。
米韓はこれまで、8月に定例の米韓演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」を行う予定にしているが、米朝会談での議論を受けて、実施が不透明になっている。韓国国防省報道官は14日の記者会見で、演習について「韓米が緊密に協議しているが、具体的な発言は制限されている」と述べた。
韓国と北朝鮮は、4月27日に発表した板門店宣言で、「軍事的な緊張状態の緩和」などで合意した。将官級軍事会談で韓国側は、南北国防相会談の開催や軍事会談の定例化などを提案するとみられる。
米朝首脳会談では、戦争捕虜や行方不明兵の遺骨回収でも合意した。文在寅(ムンジェイン)大統領は6日、南北関係が進展すれば、非武装地帯(DMZ)での遺骸発掘を進めたい考えを表明している。将官級会談では、米朝と韓国の3カ国の兵士の遺骨回収についても意見交換する可能性がある。(ソウル=牧野愛博)