トランプ米大統領は29日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近、金英哲(キムヨンチョル)党副委員長が、6月12日の米朝首脳会談を実現させるためニューヨークを訪れると明らかにした。トランプ政権高官と協議する見通しで、ポンペオ国務長官と会談する可能性もある。現在も続く米朝の実務者協議は、北朝鮮の完全な非核化の方法や見返りをめぐり、依然立場の違いがあるようだ。
トランプ氏は「我々の素晴らしいチームが、首脳会談に向けて北朝鮮と交渉している」とした。会談中止を表明した自らの書簡に触れ、「(北朝鮮側の)きちんとした対応に感謝する」とも語った。
29日に経由地の北京に到着した英哲氏は30日午後、ニューヨークに向けて出発するという。英哲氏は、韓国や中国との首脳会談にも同席するなど、正恩氏の外交を補佐してきた。北朝鮮外務省のチェ・ガンイル北米局副局長も同行した。
一方、28日に南北朝鮮の軍事境界線上にある板門店で北朝鮮と実務者協議を行ったソン・キム駐フィリピン米大使(元北朝鮮政策特別代表)らは29日午前、ソウル市内のホテルを出発した。29日も協議を続けた可能性がある。
北朝鮮関係筋によれば、米側は実務協議で、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を受け入れるよう北朝鮮に要求。北朝鮮の全ての核関連施設に対する自由な査察を認めたうえで、全ての核を廃棄するよう求めているという。
これに対し、北朝鮮は米国との…