阪神のロサリオ
(18日・プロ野球 阪神2-1中日)
喜怒哀楽がついつい表情に出てしまう。真面目で素直な性格なのだ。打撃不振で暗く沈んでいた阪神の主砲ロサリオが、10試合ぶりの3安打。ようやく笑みが広がった。
「コースに逆らわずセンター方向へ合わせることが出来たね。チームに貢献できて良かったよ」
1点を追う六回2死一、三塁。初球の136キロの直球を中前にはじき返した。8日の巨人戦で3号ソロを放って以来、8試合ぶりの打点となる同点適時打。勢いづいた阪神は、続く糸原の右前適時打で逆転した。
この試合前まで、5月は13試合で打率1割3分5厘。ここ7試合に限ると28打数1安打と極度の打撃不振に陥っていた。タイミングを取り戻そうと、ノーステップでの打撃フォームから、メジャー時代の足を上げるフォームにも挑戦するなど試行錯誤。自宅でもティー打撃を行うなどスランプ脱出を目指した。
この日は四回に左前打、八回には右前打を放った。「辛抱して信じるしかない」と話していた金本監督も「変化球も打ったよね。(配球を)読んだのか、反応したのか分からないけど」。主砲の復調に目を細めた。
「今日はいい日だった。でも、これを続けていかないと意味がない」と引き締めたロサリオ。これくらいでは満足できない。そんな主砲としてのプライドが言葉の端々からのぞいた。(鷹見正之)