練習前に談笑する山県亮太(右端)と、同じチームに所属する福島千里(真ん中)
陸上の第52回織田幹雄記念国際大会が28日、8月のジャカルタアジア大会の代表選考会を兼ねてエディオンスタジアム広島で開幕した。
最大の目玉は、29日の最終日に行われる男子100メートルだ。リオデジャネイロ五輪の男子400メートルリレーで、ともに銀メダル獲得に貢献した山県亮太(セイコー)とケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が、今季初めて激突する。国内有数の高速トラックで、桐生祥秀(日本生命)の9秒98に続く9秒台突入が期待される。29日に予選と決勝の2レースがある。
それぞれの記者会見には50人を超える報道陣が集まった。昨季自己ベストを10秒00まで縮めた山県は、2016年以来2年ぶりの地元広島での織田記念出場となる。10秒15で走った3月のオーストラリアでの今季初戦からスタートを修正。走りに手応えを感じており、「国内外から強い選手が来る。しっかり勝てるようにしたい。記録はその中で出てきてくれればいい」と力強く話した。
今季目標を日本選手権優勝と、アジア大会出場に置くケンブリッジも、自信をのぞかせた。昨秋から海外の有力選手が所属し、米アリゾナ州に拠点を置くチーム「ALTIS」の練習に参加した。計約4カ月の武者修行では、反復練習(ドリル)やスタートの改善を教わり、「少しずつ自分のものになってきている」。
10秒08の自己ベスト更新を目指しており、「山県さんはどんな大会でも自分の走りができる。そういう選手に勝って、勝負に強い選手になりたい」と話していた。
100メートルには自己ベスト10秒01を持つショーン・マクリーン(米)や、藤光謙司(ゼンリン)、宮本大輔(東洋大)らも出場する予定だ。(遠田寛生)