18日朝に発生した大阪府北部を震源とする地震の影響で、マンションやビルのエレベーターが止まり、中に閉じ込められる被害も相次いだ。国土交通省の集計(午後5時現在)では、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀の5府県で計214件の閉じ込め被害が発生。けが人の情報はないという。
特集:大阪北部地震
国交省によると、大阪府(166件)、兵庫県(29件)、京都府(15件)、奈良県(3件)、滋賀県(1件)の順に多かった。大阪府災害対策本部などによると、大阪や摂津、門真各市などで閉じ込め被害が発生。兵庫県災害対策課によると、午後4時現在、神戸市や西宮市などで計22件に上った。
大阪府の摂津市役所では、男性職員(41)がエレベーターで6階の職場に向かう途中、地震が起きて、エレベーターが停止。「このまま落ちるのではないか」。不安な気持ちを抱えたまま、携帯電話で家族に無事を伝えた。
エレベーターは4階にさしかかっていたところで、外から「大丈夫か」「頑張れよ」と声をかけられた。約2時間20分後、消防隊員が外から扉を開けて救出。男性は「長かった。ホッとした半面、職場の人に迷惑をかけ申し訳なかった」と疲れた様子で話した。
京都市のマンションでは6階部分で女児(11)と男児(7)が一時閉じ込められ、警察官らが救出。同市の老人ホームでは86歳の男性が、奈良県大和郡山市のケアハウスでは70~90代の女性利用者ら4人が一時、閉じ込められた。
国交省によると、2009年9月以降に竣工(しゅんこう)したエレベーターには、強い揺れを感知すると最寄りの階に止まる「地震時管制運転装置」の設置が義務づけられた。しかし、その前に竣工したエレベーターは同装置がないものがあるという。