サッカー日本代表について語る植田朝日さん=2018年4月26日、東京都千代田区
ワールドカップ(W杯)ロシア大会開幕まで2週間あまり。だが、国内ではかつてのような盛り上がりは感じられない。1980年代から日本代表を応援してきた「ウルトラスニッポン」の植田朝日さん(44)に聞いた。昔とは何が違うのですか?
歴代の日本代表が集合!あなただけのチームをつくろう
【特集】2018ワールドカップ
◇
――日本のサポーター文化の始まりはいつなのでしょうか。
「80年代は応援と言えば『ニッポン チャチャチャ』と座りながら日の丸を振るスタイル。そこで中学生だった僕は、欧州のスタイルをまねして応援歌を歌ったり、ユニホームを着て応援したりし始めました。といっても当時はレプリカユニホームなんて売ってない。青いシャツに日の丸を貼って自作しました。ターニングポイントは、広島県で開かれた92年アジアカップ。大きな節目でした。初戦はゴール裏のサポーターは10人くらい。『試合中に立たないで下さい』って注意されましたから。でもカズ(三浦知良選手)のゴールとかで勝ち上がっていき、決勝では観客5万人。数千人が立って優勝を喜んだんです。翌年にJリーグが始まるのと相まって、サッカー人気に火が付いた瞬間でした」
――93年に「ドーハの悲劇」でW杯出場を逃し、4年後に初出場が決定。日本中が注目しました。
「あの頃は、日本中が応援していた感覚です。本大会に出られるか、ギリギリの戦い。初出場を決めるまでが、一つの壮大なドラマだったんです」
――その後、日本代表は6大会連続でW杯に出場。
「たとえば、06年ドイツ大会出場を決めた試合、覚えています? もはや、W杯出場は当たり前になってきてしまった。当時の熱さやヒリヒリ感はもうないんです。97年にW杯初出場を決めたジョホールバルには、1万5千人のファンが日本から訪れました。でも最近は、アウェー試合に行くファンが数十人規模のことも珍しくない。代表人気は確実に落ちています」
――人気低迷の理由は?
「まず、全員で共有できるゴー…