ブロック塀の倒壊事故を受け、プール外壁の撤去工事が始まった大阪府の池田市立北豊島中学校。各地で危険性があるブロック塀撤去の動きが進む=2018年6月22日午前11時12分、大阪府池田市豊島北1丁目、古田寛也撮影
大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震で、同府高槻市の市立小学校のブロック塀が倒れ、4年生の三宅璃奈(りな)さん(9)が死亡した事故を受け、府教育庁は、府内の小中高校などの通学路にあるブロック塀の安全点検を一斉に実施することを決めた。22日から始め、29日までに結果の報告を求めている。
対象となるのは、府立学校181校と、大阪市と堺市を除く各市町村の教育委員会が所管する公立の計1088校園、府内の私立校178校。建築基準法に基づく点検表をつくり、配布した。
点検は通学路にある塀の高さや厚さに加え、ひびや傾き、ぐらつき、塀を補強する「控え壁」、基礎の有無など8項目を、各学校で目視で実施するよう要請している。
問題が見つかった場合は府への報告とともに、学校の所在地の自治体の建築担当部局と相談するよう求めている。そのうえで、ブロック塀の所有者とも相談し、取り壊しや改修などを検討するという。
大阪市も市立小中学校計419校、堺市も市立の小中高校など計150校園について、それぞれ通学路のブロック塀などの安全点検を始めている。文部科学省は事故を受けて、全国の小中高校などのブロック塀について緊急点検を要請した。
女児が下敷きになったブロック塀の高さは、基礎部分(1・9メートル)と積み上げたブロック8段(1・6メートル)合わせて3・5メートル。地震で長さ40メートルにわたって倒壊した。建築基準法施行令で高さ1・2メートルを超す場合に必要とされている控え壁がなかったことや、基礎部分とブロック部分をつなぐ鉄筋の長さが短く、塀の上端部まで届いていなかったことも判明している。
高槻市は事故後、違法な建築物と認めた。府警が業務上過失致死容疑で捜査している。(渡辺元史)