26日にフランスと引き分けて1次リーグ突破を決めたデンマークのGKシュマイケル=AP
デンマークのGKキャスパー・シュマイケル(31)=レスター=が偉大な父の成績に迫っている。1次リーグ3試合1失点の堅守で、2002年日韓大会以来の決勝トーナメント進出に貢献。「世界最高のGK」と言われ、1998年フランス大会で8強入りした父のピーター・シュマイケル氏(54)も喜んでいる。
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「20年前、私は最終戦でフランスと対戦した。キャスパーも同じになるだろう」
26日の1次リーグ最終戦のフランス戦を前に、ピーター氏はツイッターでこうつぶやいた。フランス大会で父が1―2で敗れた相手に対し、息子のキャスパーは11本のシュートを浴びながらも無失点。0―0で引き分け、2位で決勝トーナメント進出を決めた。
父親と同じように身長190センチ近く、シュートストップにたける。当然、マンチェスター・ユナイテッドの黄金期を支え、デンマーク代表では92年欧州選手権を制した父と若い頃から比べられてきた。
だが、苦しんだ。マンチェスター・シティーの下部組織からトップ昇格するも、出場機会を得られず、複数クラブを渡り歩いた。地元紙のインタビューに「ゴールの後ろで(ファンが)『息子だよ』とささやくのが聞こえる」「(父との比較は)良くない。私は興味がない」と語ったこともある。
転機は11年のレスターへの移籍。不動の守護神に定着すると、2部から駆け上がり、岡崎慎司らとともに初のプレミアリーグ優勝に貢献した。W杯デビューの初戦、ペルー戦では好セーブを連発。W杯の公式ツイッターは親子をたたえて写真を並べ、父も「誇りに思う」とコメントした。
デンマークの最高成績は父がフランス大会で残した8強。7月1日、準々決勝進出をかけ、D組1位のクロアチアと対戦する。(照屋健)