名古屋場所に出場している芳東(左)
3横綱、1大関が休場する大相撲名古屋場所。体格の大型化が進み、けがが絶えない土俵に、とてつもなく頑丈な41歳がいる。三段目の芳東=本名・石原洋、玉ノ井部屋=は、入門から22年間、休場ゼロ。連続出場1104回は17日時点で現役1位。1630回で歴代1位の「鉄人」青葉城を、在位場所数では上回った。
相撲特集:どすこいタイムズ
熊本農高出身で、1996年初場所で初土俵を踏んだ芳東。身長197センチで、愛称は「ジャンボ」。ゆっくりゆっくり番付を上げ、30歳過ぎに新十両、2011年秋場所で新入幕に昇進した。34歳3カ月での昇進は、戦後2番目の高齢記録。幕内3場所、十両18場所を経験した。
現在、関取経験者では最年長。14年秋場所を最後に関取の地位は遠ざかるが、東三段目72枚目にいるこの名古屋で、在位135場所目に達した。土俵人生のほとんどが1場所7番の幕下以下であるため、1場所15番の関取の地位に87場所いた青葉城の連続出場記録には500回以上及ばない。それでも在位場所数では、青葉城の134場所を抜いた。
「僕の数字と比べるのは失礼」と芳東は話すものの、体の強さは立派だ。腰のあたりにわずかにテーピングを貼る以外は、不安な箇所はないという。
実は、現役1位の連続出場記録は、来場所にも抜かれそうだ。芳東より8年遅れ、04年初場所でデビューした小結玉鷲が、1日も休まず1101回(17日時点)に迫っている。このまま2人が出場を続ければ、今場所千秋楽に並ぶ見込みだ。
「僕は数字のことを気にしていないし、こだわりもないですよ。抜かれても全然いい。今のモチベーション? けががないのに、休むわけにいかないですから。ただただ、必死にやっていきます」。5番相撲まで終えて3勝2敗。3場所ぶりの勝ち越しに、あと一つとしている。(鈴木健輔)