「ご注文のミルクティの甘さはどうしますか?」。ミルクティ店で最近よく聞くやりとりだ。甘さ3割、糖類を入れず、カロリーゼロ・糖質ゼロが大半の客の選択になっている。こうした現象から、カロリーゼロ、低糖質、糖質ゼロが徐々に消費の世界を席巻する様子がうかがえる。
「周りの友達もみんな糖質ゼロの飲料が好きだ。自分もミルクティを頼むときは基本的に砂糖を入れない」と話す北京市の李さん(女性)は、会社勤めで毎日オフィスでのデスクワークが8時間を超える。「仕事がこういう状況で太るのが心配なので、糖質ゼロの飲料を選んでいる。カロリーも低めだ。今年の夏は元気森林、コカ・コーラゼロ、喜茶といった糖質ゼロか砂糖なしの飲料を選べる飲み物が大流行している。最近の大勢の若者たちの消費ニーズにぴったりマッチしているといえる」という。
こうした傾向の高まりは一部の糖質ゼロの飲料製品の財務データにも表れている。今年上半期には、元気森林の売上高が8億元(1元は約15.7円)を超え、昨年全体の水準に近づいた。そして、天猫(Tmall)のショッピングイベント「6・18」ではコカ・コーラを抜いて清涼飲料水の1位に躍り出た。農夫山泉は糖質ゼロのブラックコーヒー、低糖カフェオレ、低糖ココナッツコーヒーなど、「糖質ゼロ派」の新商品が好調で、このほど発表した上場後初の半期決算によると、こうした商品の収益は前年同期比210.3%増加したという。
調査会社の智研諮詢は「2020-2024年中国糖質ゼロの飲料業界市場における需給の現状および発展トレンドの予測報告」の中で、糖質ゼロの飲料市場は浸透率が持続的に上昇するのにともなって、増加率も飲料市場全体の増加率を大幅に上回るようになった。データによれば、某ECプラットフォームの20年5月の糖質ゼロの飲料売上高は5900万元に達し、同210%増加したと指摘した。
新たなニーズに触発されて、たくさんのメーカーがこの分野に参入し展開を進めている。今年2月には、乳製品大手の伊利が「伊然」シリーズのミルクカルシウム入り炭酸飲料を発売した。統一は「茶覇」シリーズの茶飲料を新たに発売し、ネスレのブランド「優活(ピュアライフ)」は炭酸飲料を新たに発売し、娃哈哈の飲料品ブランド「KellyOne」も「生気■■(■は口へんに波)」シリーズの炭酸飲料を打ち出した。このほか銀鷺、康師博、農夫山泉などのメーカーも相次いで糖質ゼロの新商品を売り出した。各ブランドが続々参入して、糖質ゼロの飲料市場は活況を呈している。