タイ北部チェンライ郊外のタムルアン洞窟に増水で閉じ込められ、全員無事に救出された少年ら13人が18日夜、チェンライ市内で記者会見した。洞窟内の増水によって帰る道を遮られた様子や、救助隊に発見された時の状況を時折笑顔を交えながら語った。洞窟から脱出後は入院していたが、この日退院し、それぞれの家に戻った。
タイ洞窟、パニック避け少年に鎮静剤 救出時の意識は?
タイ洞窟事故、発生から救出まで
少年らは会見に、そろいのシャツで臨んだ。会見場にはサッカー場を模した場所が作られ、少年らは会見前に笑顔でボールを蹴り、他のチームメートらとの再会を喜んだ。会見は、司会役のジャーナリストの質問に答える形で進んだ。
「話し声が聞こえるので電灯を持って行ってみると、(ダイバーが)出てきた。本当に奇跡の瞬間でした」。洞窟に入ってから10日目、英国人ダイバーらが少年らを発見したときの様子を、一人が少し興奮した様子で語った。
洞窟生活、瞑想の日々
同じサッカーチームに所属する11~17歳の少年と男性コーチのエーカポン・チャンタォンさん(25)は6月23日、サッカーの練習後に洞窟に向かった。エーカポンさんは会見で、「洞窟の中を調べるために入った」と説明。少年の一人に補習授業の予定があったことから、「1時間ほどで戻る予定だった」という。
「そろそろ帰ろうという時、水が突然押し寄せてきた」とエーカポンさん。帰る道を阻まれ、少年らは洞窟の奥に逃げ込んだ。全員が休める場所を見つけ、3、4日過ごしたころ、また水が迫ってきた。少年らはさらに奥に逃げ込んだ。ここが、少年らが7月2日に発見された場所だった。脱出も検討したが、「水の深さは約3メートルだった」(エーカポンさん)といい、助けを待つことにした。
真っ暗ななか、エーカポンさんの指示で少年らは「落ち着こう」と話し合い、瞑想(めいそう)し、無事助かるように祈ったという。
脱出順は自分たちで決定
発見されてからは、タイ海軍の特殊部隊員が常に付き添っていた。しかし、洞窟内の水位が下がらず、救助は難航。少年らは隊員が持ってきたチェスをしたり、隊員から話を聞いたりして時間を過ごした。
7月8日、数人ずつに分けて救出することが決まった。医師や特殊部隊員らの意見を聞いたうえで、少年ら自身が、誰が先に出るか決めたという。会見で少年らは、救助活動中に死亡した元タイ海軍特殊部隊員の男性ダイバーの肖像画を前に、「ごめんなさい。あなたの行動に感謝します」と話した。最後に数人の少年が、「将来は特殊部隊員になりたい」と語った。
少年らは、「親に言わずに洞窟…