茨城県取手市の実家の敷地に遺体を埋めたとして、千葉県警は22日までに、銀行員の弥谷鷹仁(やたにたかひと)容疑者(36)=千葉県柏市南柏中央=ら男女2人を死体遺棄容疑で逮捕・送検した。県警は歯型などから遺体が弥谷容疑者の妻の麻衣子さん(30)と確認した。腐敗が進んでおり、司法解剖で死因は明らかにならなかったという。逮捕は18日付。
捜査関係者によると、弥谷容疑者は県警の調べに「妻の首を絞めて殺害した」などと説明。動機については「体調を崩した妻と生活することで、精神的に参っていた」といった趣旨の供述をしているという。
ほかに逮捕されたのは、弥谷容疑者の母親で会社役員の弥谷恵美容疑者(63)=茨城県取手市井野台4丁目。容疑を認めており、「息子が苦しんでいた。助けてあげたかった」などと供述しているという。
県警によると、2人は3月4日ごろ、共謀し、恵美容疑者の自宅の敷地に掘った穴に麻衣子さんの遺体を埋めた疑いがある。2人は「手作業で穴を掘った」などと説明しているという。
弥谷容疑者は3月6日、「2日前に妻と車に乗っていて口論になった。妻がコンビニで車を降り、そのまま帰ってこない」と県警柏署に捜索願を出した。県警は手がかりを探すため、麻衣子さんが降車したという千葉県我孫子市のコンビニ周辺の防犯カメラの映像を調べた。ただ、いずれの映像にも麻衣子さんの姿は映っていなかったという。
麻衣子さんが失踪する明確な理由もないため、県警は弥谷容疑者が虚偽の説明をした可能性があると判断し、今月17日に改めて事情を聴いた。弥谷容疑者が「実家に遺体を運んで土中に埋めた」と供述したため、恵美容疑者の自宅の敷地を掘り返し、翌18日未明に遺体を見つけた。