妻(当時30)を殺害し茨城県取手市の実家に埋めたとして殺人と死体遺棄の罪に問われた千葉県柏市の元銀行員、弥谷(やたに)鷹仁被告(37)と、殺人幇助(ほうじょ)罪などに問われた鷹仁被告の母恵美被告(64)に対する裁判員裁判の初公判が22日、千葉地裁であった。起訴内容を鷹仁被告は「間違いありません」と認め、恵美被告は「手助けするつもりはなかった」と一部否認した。
「妻との生活、参っていた」 実家に遺体埋めた容疑の夫
検察側の冒頭陳述によると、鷹仁被告は昨年3月4日、柏市の自宅で妻麻衣子さんに睡眠導入剤を混入したカレーを食べさせたうえ車内で首を絞めて殺害。遺体を実家の敷地に埋めたとされる。恵美被告は殺害前に一緒に穴を掘るなどして手助けしたとされる。
検察側は、鷹仁被告が事件前、恵美被告に「業務用冷凍庫で(妻を)溺死(できし)させ、水難事故を装う」と説明していたと指摘。恵美被告は遺体を埋める場所として自宅の敷地を提案するなどしたと主張した。恵美被告の弁護側は「鷹仁被告の気持ちをなだめるために要求に応じ、実際に殺害するとは考えていなかった」と訴えた。(寺沢知海)