相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、職員を含む27人が重軽傷を負った事件から26日で2年。被害者の遺族の男性(59)が、殺人などの罪で起訴されて裁判が始まるのを待つ元職員の植松聖(さとし)被告(28)と、再び向き合った。時を経て、男性は心境の変化を感じている。
やまゆり園事件から2年 関係者が語る、残る「傷痕」
弟に障害、私も不幸? 自分の中の優生思想乗り越えたい
「遠いところ、ありがとうございます」
今月4日、立川拘置所(東京都立川市)の面会室。植松被告は小柄な体をくの字に折り曲げて頭を下げ、椅子に座った。事件当時の金髪が、わずかに毛先に残る。長く伸びた黒髪を後ろで結い、柔和な表情を浮かべていた。
今年6月に続き3度目の面会に、朝日新聞記者も同席した。初めての面会は、事件から1年を前にした昨年6月。姉(当時60)を殺害された男性はそのころ、「死刑にしてほしい」と思っていた。だが今回の面会で、かつてのような憎しみは湧いてこなかった。
この1年で変わったことが、もう一つある。
事件の報道に接するたび、「遺…