中島さんは「なかしまさん」か「なかじまさん」か。全国各地にある名字だが、読み方は地域によってわかれる。中島姓の発祥の地のひとつとされる愛知県の一部では「なかしま」と濁らないことが多い。全国的に「なかじま」が主流なのに、なぜなのか。
「愛知に来ると、『なかじま』が『なかしま』になる。ここで活動するときは『なかしま』にします」。在日イタリア商工会議所(東京)の中島峻介さん(36)は6月、名古屋市であった、担当するイベント開催の記者会見のあいさつで「改名」を宣言した。
群馬県藤岡市の中島(なかじま)という地に生まれた。同じ名字が多い地区でクラスには中島姓が2、3人いたが、全員「なかじま」。東京で働き始めてからも他の読み方をする人に出会ったことはなかったという。
ところが、イベント準備で名古…