宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務をめぐる汚職事件で、文部科学省前国際統括官の川端和明容疑者(57)=26日付で大臣官房付=がJAXAの災害対策事業について、医療コンサル会社元役員の谷口浩司容疑者(47)に便宜を図った疑いがあることが、関係者の話でわかった。東京地検特捜部は、川端前統括官が便宜の見返りに飲食接待を受けたのではないかとみている模様だ。
川端前統括官は出向先のJAXAで理事だった2015年8月~17年3月、谷口元役員に便宜を図るなどした見返りに、東京都内の飲食店で複数回、計140万円相当の飲食などの接待を受けたとして、収賄容疑で逮捕された。
JAXAが行う災害対策の事業には、大規模災害が発生して通信網の回線が断たれた場合に、超高速インターネット衛星を使って通信環境を整え医療活動をスムーズにするもののほか、地滑りや土砂崩れの予兆や水害の状況に関するデータを衛星で観測して、関係機関に提供するものなどがある。
関係者によると、こうしたJAXAが実施する災害対策事業について、川端前統括官は、谷口元役員がいた医療コンサル会社側の業務に絡み便宜をはかっていたとみられる。JAXAによると、川端前統括官は、JAXAの契約や施設、財務などを統括する理事だった。一部の業務では契約の審査責任者を務めていたという。
特捜部は、川端前統括官が谷口…