第100回全国高校野球選手権記念東・西東京大会(朝日新聞社、東京都高校野球連盟主催)は29日に東東京、30日に西東京の決勝が神宮球場である。記録的な猛暑となった100回目の夏、頂点に立つはどのチームか。これまでの戦いから、決勝の見どころを紹介する。
【決勝ライブ中継はこちら】二松学舎大付×小山台 東東京大会
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東大会 きょう決勝 小山台VS.二松学舎大付
東大会決勝は、2年連続の夏の甲子園を狙う二松学舎大付と、初優勝を目指す小山台がぶつかる。
二松学舎大付は打線の破壊力は健在だ。長打だけでなく、逆方向につなぐ打撃もできる。昨夏の甲子園を経験した3番平間や1番右田は好機に強く、関東一との準決勝で3点を先取されたが、すぐに同点に追いつき、逆転した。
一方の投手陣は絶対的エースはいない。江戸川との5回戦で5回を無失点に抑えた香山や、関東一を7回1安打に抑えた大庭、左腕の海老原、速球が持ち味の岸川の継投で、ここまで乗り切ってきた。得点力が高いだけに、1年生捕手の山田が投手陣をリードし、最少失点で抑える試合展開に持ち込みたい。
小山台の打線は二松学舎大付ほどの長打力はないが勝負強さがある。安田学園との準々決勝は2度、追いつかれながらも、延長十回に勝ち越した。1番松永、3番飯田が好調で打線を引っ張ってきた。
エースの戸谷は準決勝までの5試合中4試合で完投し、69年ぶりの決勝進出に貢献した。直球とスライダーをコーナーに決める制球力がある。戸谷が相手打線をどれだけ抑えられるかが勝敗を左右しそうだ。(阿部健祐)
西大会 あす決勝 日大鶴ケ丘VS.日大三
西大会決勝は、5年ぶりの優勝を狙う日大三と4年ぶりの甲子園を目指す日大鶴ケ丘が戦う。いずれも準決勝は逆転で勝ち上がってきた。
第1シードの日大三は5試合中4試合が逆転勝利。先制を許しながらも、好調な打線が盛り返す試合展開が続く。
5回戦の片倉戦では3点を追う七回に代打小沢が逆転満塁本塁打を放って辛勝。日置、大塚が打率4割超と好調。出番が少ない選手も活躍し、選手層が厚い。課題は投手陣。エース中村は5回戦で腕を痛め、途中降板。以後、登板がない。河村、広沢らは準々決勝以降、制球が定まらず、2試合で19四死球と制球に不安を抱える。好調な打撃で先制し中盤に突き放す展開に持ち込みたいところだ。
ノーシードから勝ち上がってきた日大鶴ケ丘はプロ注目の150キロ右腕勝又に注目が集まるが、6試合で失策2、攻撃でも21犠打10盗塁と手堅い野球が持ち味だ。準決勝でも7犠打を絡めた。チーム打率は3割6分、63安打、52得点はいずれも日大三を上回る。勝又、菅原はいずれも打率5割と好調。投手陣は6試合中5試合は継投で勝ち上がっており、継投のタイミングが鍵を握る。(滝口信之)