30日午後の東京債券市場では長期金利が前週に続いて上昇し、一時約1年半ぶりの高水準となる0・110%に上がった。日本銀行は金利上昇を抑えるため、同日午後2時、国債を一定の利回りで無制限に買い入れる市場調節「指し値オペレーション(オペ)」の実施を通知。その後、金利は0・100%に低下した。
日銀、一定の金利上昇容認を検討へ 緩和の悪影響を軽減
日銀の指し値オペは前週の23日、約5カ月半ぶりに実施し、その後27日も実施した。30日は一連の金利上昇局面で3回目と、短期間では異例の多さとなる。
日銀は30日から2日間の日程で金融政策決定会合を開いているが、金融緩和の悪影響を軽減するため、一定の金利上昇を容認するとの見方が広がっている。そのため、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが急上昇(国債は値下がり)している。そのため日銀は金利の抑制に動かざるを得なくなっている。
指定した国債の買い入れ利回りは23日は0・110%だったが、27日と30日は0・100%とそれより低い。(湯地正裕)