(8日、高校野球 日南学園2―0丸亀城西)
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日南学園の1番中原は、どうしても初球を逃したくなかった。三回、1死三塁の場面だ。
攻撃前の円陣。最も指摘されたくない一言を金川監督から受けた。「ファーストストライクの見逃しが多い」。チーム最大の武器は積極的な打撃。監督がその「キーマン」として期待した中原も、第1打席で簡単に見送っていた。
初球を狙う理由は、もう一つ。先頭が二塁打し、続く9番辰巳が1球で犠打を成功した。「イケイケの流れを切りたくなかった」。高めの直球を強引に振り抜き、中前へ。先制打となった。
復調を示す場でもあった。4月の練習中に左足首の靱帯(じんたい)を負傷し、全治3カ月。宮崎大会には間に合ったが、痛みで強振でできなかった。初戦は、2得点で競り勝った。「次の試合は、初回からいきます」と中原。有言実行できれば、日南本来の攻撃力が戻ってくる。(小俣勇貴)